学校や職場等での多台数接続を実現するために。無線LANにいま求められることとは | NetAttest20周年特別企画
いまや家庭でも当たり前の存在となり、職場でも広く普及している無線LAN環境ですが、家庭用と業務用の無線LANアクセスポイントには大きな違いがあります。ビジネスの現場で求められる無線LAN機器には、ソフト面、ハード面ともに高いレベルが求められているのです。
そうした業務用の無線LANアクセスポイントや無線LANソリューションの開発および販売を手掛けているのは、業務用無線機器の専業メーカーである株式会社フルノシステムズです。同社は1984年10月に創業し、国内で初めて無線ハンディターミナルを開発。そしてWi-Fiの規格化以前より無線LAN事業に取り組み、現在はアクセスポイント事業を主軸に展開しています。
今回はフルノシステムズにお話を伺い、業務用の無線LANに求められること、また昨今の社会の変化によって無線LANに求められることはどう変化していったのか、また同社が扱う無線LAN製品についてご紹介いたします。
現場で使いやすい無線LAN実現を目指して。業務用無線専業の国内メーカー・フルノシステムズの挑戦
1984年の創業以来、無線ハンディターミナルや業務用無線LANアクセスポイントなど、業務用無線を専業に事業を展開してきたフルノシステムズ。
現在はアクセスポイント事業を主軸に、高速Wi-Fi規格であるWi-Fi6対応の無線LANアクセスポイントをはじめとする製品や、アクセスポイントを管理運用するためのクラウド型無線ネットワーク管理システムなどのソリューションを提供しています。
そして昨今需要が高まっているソリューションブランドが、多台数接続・安定通信を実現する無線LANアクセスポイント『ACERA(アセラ)』および、無線ネットワーク管理システム『UNIFAS(ユニファス)クラウド』です。
業務用のアクセスポイントである『ACERA』は、オフィスや学校、また病院など数十台の端末が同時接続しても問題なく動作するアクセスポイントであり、さらに『UNIFASクラウド』と組み合わせることで、多拠点管理が可能になります。
そのため、たとえば複数店舗を運営する飲食店であったり、全国に支社を構える企業などであったりしても、低コストでかつ遠隔管理により管理コスト軽減を実現するネットワーク環境を構築できます。
数年前までは飲食店等でWi-Fiが提供されていても、いざ接続してみるとなかなか繋がらず、接続をあきらめてしまったという経験をお持ちの読者の方も多くいらっしゃると思います。 このような状況に陥らないように、フルノシステムズでは長年の経験から、業務用で使用される無線アクセスポイントの改善・検証を繰り返し、安定した多台数接続の実現、また故障しにくい機器の提供を行っています。
そうした同社の製品開発について、営業本部第一営業部の外村氏はこう語ります。
“飲食店であれば、電子レンジや来店客のスマホ端末によって干渉が起こり、Wi-Fiの通信障害が起きてしまいかねません。また家庭用と違い、業務用のアクセスポイントは空調管理されていない場所に設置されることも往々にして起こりえます。
そうした業務用で使用されるアクセスポイントの課題一つひとつに対して、フルノシステムズでは検証を繰り返しながら製品開発を進めてきました。その結果、電波干渉が起きやすい環境においても安定通信を実現、さらにマイナス10℃から55℃(※)と幅広い温度帯に対応するなど、ソフト面、ハード面で安心してお使いいただける製品となっております”
(※)動画伝送対応アクセスポイントはマイナス10℃から50℃まで
また、業務用アクセスポイントソリューションは海外製品が多い中、国内メーカーであるフルノシステムズの製品は、日本語のGUI(操作画面)であり、サポートも日本語で対応しているため、安心して導入いただけることも特徴です。
GIGAスクール構想にWeb会議。昨今の社会状況に対していま無線LAN環境に求められることとは
フルノシステムズが創業して間もない90年代は、無線LANというものはまだ一般的なものではありませんでした。また初期のWi-Fi規格では通信速度も遅く、多台数接続はおろか、インターネット経由で映像を視聴することもままならない状況でした。
しかし、フルノシステムズでは時代の変化に合わせて、様々な課題やお客様の要望に応える製品を開発・提供し続けてきました。
そんな中、2019年12月に文部科学省から発表された「GIGAスクール構想」。生徒1人1台のPC、そして全国の小中学校に高速の通信ネットワークを整備するというこの構想でありますが、その構想を実現するには、1クラス40人といった人数規模であっても同時にWi-Fiに接続できる多台数接続の実現、また動画教材など負荷のかかる環境であっても安定して通信できるソリューションが求められます。
そうした課題に対して、教育機関からの需要が高いのがフルノシステムズの提供する無線アクセスポイントACERAです。従来型のWi-Fi環境では1クラスの生徒全員が学習端末に接続することができなかったそうですが、ACERA導入によって安定した通信が実現。オンライン教材を活用したスムーズな授業が展開できています。
また、多台数接続・安定通信が求められるのは、教育機関だけではありません。昨今はコロナ禍の影響もあり、無線LANの使い方や必要性が変わってきていると外村氏は語ります。
“大きく変わったのが、Web会議の普及です。これまでネットワーク通信に求められていたのは下りの通信速度でした。しかしWeb会議では上りの通信も重要なため、上り下りともに安定した通信が求められています。
また自宅でのWeb会議であれば接続端末は1台だけのため問題ないのですが、オフィスであれば、手元の画面で資料を見たり発表したりしやすいよう、それぞれの端末でWeb会議画面を開くという多台数接続の状況は珍しくありません。そのため、いままで以上の高負荷な通信が発生してしまいます。
さらに病院でも入院患者へのお見舞いは、Web会議ツールを使って行うという需要も高まっており、いままで以上に高い品質の無線LAN接続が求められています”
セキュリティは担保されて当然の時代。高品質でセキュア無線LAN環境を手軽に導入できるようにするために
Wi-Fi接続が一般的になり、さらにテレワークや多台数接続が普及する昨今、便利な無線LANを安心して利用するためには、接続すべきユーザーだけが接続できる認証システムを構築するといったセキュリティの担保も重要です。
そこで強固なネットワークセキュリティを構築するために、フルノシステムズでは『ACERA』、『UNIFASクラウド』と合わせて、ソリトンシステムズが提供するネットワーク認証に必要な機能をオールインワンで備えた『NetAttest EPS』を組み合わせた提案も行われています。
“ソリトンシステムズの『NetAttest EPS』は多くの導入実績があり、長年トップシェアを走り続けているという高い信頼性があるため、私たちも安心してお客様に提案ができるソリューションです。
また常に機能追加が行われ、課題に対して解決するノウハウを持たれているからこそ、我々のお客様にとってもセキュリティに対する不安が払拭され、重要視するものがセキュリティからより質の高い通信環境の実現へと変わってきています。
これからも、お客様に安心で快適な無線LANを提供し続けるべく、ソリトンシステムズと共に協力関係を築いて展開していければと思っております”
フルノシステムズとソリトンシステムズは、デジタル証明書認証によるセキュリティ強化を簡単に導入することができる『クラウドRADIUS認証サービス』を提供開始いたしました。
『UNIFAS』の機能のひとつとして、ソリトンシステムズが提供するクラウド型認証サービス『Soliton OneGate』が利用できるようになるため、イニシャルコストを削減し、手軽に導入できるソリューションとなっています。
謝辞
株式会社フルノシステムズ様、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。
IoTの拡大、また働き方の変化に伴い、今後さらに重要性が高まるWi-Fi環境。おかげさまで、NetAttestシリーズは今年で20周年を迎えることができましたが、これからも安心安全な無線LAN環境の構築を目指して、機能追加やソリューションの拡大を進めていきます。
取材日:2022年6月28日
株式会社ソリトンシステムズ
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