すべてのものがネットワークで繋がり始めている製造業。業界課題と無線LAN構築に求められること| NetAttest20周年特別企画
PCだけではなくスマートフォンやタブレット端末の普及、またWeb会議の浸透によって、常時接続を可能にする無線LAN接続は、もはやビジネスのインフラと呼んでも過言ではありません。それは一般的なオフィス環境だけではなく、スマートファクトリー化が進む工場内においても同じです。
日本の自動車産業でも、品質や生産性のさらなる向上を目指して、工場内のスマートファクトリー化が進んでいます。1台の車には約3万点の部品が使われているといわれ、自動車メーカーに協力するサプライヤー(自動車部品の供給企業)の数は膨大です。サプライヤーを経由し、自動車メーカーなどのターゲット企業にサイバー攻撃を仕掛けるサプライチェーン攻撃が国内外でも起こっていることから、業界全体でセキュリティ向上にどう取り組むかが課題のひとつとなっています。 そうした中、総合エンジニアリング企業として安心・安全なネットワーク構築・運用支援を行っているのが、 住友電設株式会社です。
今回は、自動車産業に従事する多くのお客様を支援する同社 情報通信システム事業部 中部情報ネットワーク部の皆さまにお話を伺い、自動車産業などの製造業におけるネットワーク構築に求められること、セキュリティ向上への取り組みについて、ご紹介します。
(写真左から)情報通信システム事業部 中部情報ネットワーク部 部長 姉﨑 博志 氏、主席 竹田 雄 氏、情報通信システム事業部 技術部 中部技術課 山﨑 貴裕 氏、課長 河井 則雄 氏
生産を止めないために。製造業では冗長性があり、安定稼働できるネットワークが求められる
総合エンジニアリング企業として、ビル・工場の電力や情報通信、環境に関する事業を展開する住友電設株式会社。全国に事業所を展開する同社の中でも、中部情報ネットワーク部は東海エリアという地域の性質上、自動車関連の製造業にあたるお客様が数多くいます。
同社ではネットワークインフラの構築や運用支援も行っていますが、製造業においては「生産を止めない」ということが第一に求められるため、冗長性があり、安定稼働できるネットワークが求められます。一般的に行われるネットワーク機器や通信経路の多重化のほか、粉塵・振動・水滴・高温などの過酷な環境にも耐えるようにしなければなりません。
インフラ構築においてお客様が最も重視する要素のひとつが信頼性。製造業のインフラ構築について、同社にてネットワークインフラの設計や施工を担当する竹田氏はこう語ります。
“やはり、生産を止めないこと、そして事故を起こさないということが大前提としてあるのが、製造業の現場です。そのため、徹底した安全管理が求められます。
また、私たちは製造ラインの付近で作業をすることも多いのですが、物損事故などを起こしてしまうとラインを止めることにも繋がりかねませんので、慎重に作業を行う必要があります。
私たちは徹底した安全管理のもと、これまでに多くの製造業のお客様のインフラ構築を担当してきました。そうした実績の積み重ねが信頼へと繋がっているのだと感じています。”
スマートファクトリー化や労働環境の変化により、さらなるセキュリティ強化が求められる自動車産業
拠点間通信やデータのクラウド移行、さらに工場自体のスマートファクトリー化など、製造業におけるネットワーク環境は大きな変化を遂げています。一方で、これまで閉じていたネットワークを開くということは、外部からの不正アクセスといったサイバー攻撃の対象となる可能性が高まるということです。実際に、サポートが切れたOSが製造ライン上で稼働しているなど、これまでの閉じたネットワーク環境を前提にしたシステムが使われている工場もあり、こういった脆弱性を狙ったサイバー攻撃を受けることも考えられます。
セキュリティ強化のためのコストと利便性、また生産コストのバランスをどう取るか。そうした自動車産業特有の課題について、ネットワークインフラの構築や運用支援を担当する山﨑氏はこう語ります。
“いままでアナログで管理していたものが、IoTによりネットワークに繋がるようになりました。この仕組みを用いて、データの解析、生産性の向上、異常検知などにも活用していこうという動きが盛んです。
そんな中、自動車産業ではサイバーセキュリティガイドラインが2022年3月に改訂され、より強固なセキュリティ対策が求められています。しかし、製造業は裾野が広く、自動車メーカーとサプライヤーとでは、セキュリティ意識に大きなギャップが生じているケースもあります。
サプライチェーンを支える企業のうち1社でもシステム障害が起これば、その影響は関係企業にも及びかねません。だからこそ、自動車メーカー、サプライヤーを含めた業界全体のセキュリティレベルを高めていくことが求められています。”
NetAttestシリーズを組み合わせることで、安心・安全で冗長性のある無線LAN環境の構築を実現
このようにセキュリティレベルの向上が求められる自動車産業。そこで同社では、電子証明書を使用したネットワーク認証に必要な機能をオールインワンで備えた『NetAttest EPS』を無線LAN環境に組み合わせ、ネットワーク構築を行っています。
さらに冗長性を確保し、管理・運用のコストを軽減して安定した通信環境を実現すべく、ソリトンシステムズが提供するDHCP専用アプライアンス『NetAttest D3』も、活用しています。
様々なソリューションがある中、NetAttestシリーズを選ぶ理由について、山﨑氏はこう語ります。
“NetAttestシリーズは他社製品と比較してコストパフォーマンスが良く、さらに国産製品でユーザビリティが高いため、すぐに使い始められるということがメリットであると考えています。
特に国産製品であるという点においては、マニュアルやユーザーインターフェースが日本語表記であったり、サポートも国内だからこそすぐに対応いただけたりというのは嬉しい点。そのため、エンドユーザーでも直感的に利用できますから、お客様にとっても非常に受け入れやすいソリューションです。”
また、竹田氏は、20周年を迎えるNetAttestシリーズについて、こう語ります。
“ネットワークに絡んだセキュリティ案件の引き合いをいただいた際に、該当するソリューションがないかとまず私たちが調べるのが、国産オールインワンアプライアンス製品であるNetAttestシリーズを含めたソリトンシステムズ製品です。
それくらい信頼と実績のあるソリューションで、何も不満はなく、今後もいままで通りのパフォーマンスを維持していただきたいと思っています。
そして業界のトレンドが目まぐるしく変化していく中、当社業務の中で非常に身近な製品が20周年を迎えられることにお祝い申し上げます。”
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「すべてのものがネットワークで繋がり始めている製造業。業界課題と無線LAN構築に求められること」(PDF)
謝辞
住友電設株式会社様、インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。
「常に安定稼働していて当たり前」でありながら、利便性を下げることなくセキュリティを担保することも求められるなど、企業のネットワーク環境には、その時代の流れに合わせて多くのことが求められています。
おかげさまで20周年を迎えたNetAttestシリーズ。今後も時代の変化、労働環境の変化に合わせたソリューションを目指していきます。
取材日:2022年12月16日
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