APIとは? わかりやすく10分で解説
API とは
APIとは「Application Programming Interface」の略語で、その名の通り「アプリケーションをプログラミングするためのインターフェース」のことです。APIはソフトウェアやアプリケーションの一部を外部に公開することで、他のソフトウェアとのデータ連携や機能調節が可能になります。
例えば、天気予報アプリを開発する際に自分で天気予報を取得する仕組みを作るのは大変ですが、気象情報のAPIを活用すれば、その手間を大いに省くことができます。このようにAPIは、他のサービスからデータや機能を呼び出し、自身のソフトウェア開発を効率化するツールであると言えます。
具体的なAPIの形式としては、ライブラリAPIやデータベースAPI、Web APIなど多くがあります。それぞれ、プログラミング言語のライブラリの使用、データベースへの接続、HTTP通信に利用します。
APIが生まれた背景
APIは、ソフトウェア開発が複雑化していく中で、その効率化を図るために生まれました。特に、異なるソフトウェア間でのデータ連携をスムーズに行う必要性から、その普及は進みました。
また、情報化社会の進展とともにAPIの役割も大きく進化し、ブラウザ上で動くWebアプリケーションやスマートフォンアプリケーションの普及に寄与しました。Web APIを利用することで、異なるプラットフォーム間でもデータのやり取りが可能になり、ユーザー体験の向上に繋がったのです。
現在ではAPIはデジタル製品やサービスにおいて欠かせない存在であり、新たなビジネスモデルを生み出す可能性も秘めています。
APIの仕組み
APIは、ひとつのソフトウェアが他のソフトウェアの機能やデータを利用するための「接点」を提供します。ソフトウェア開発者がAPIを利用することで、自身が開発するソフトウェアに、他のソフトウェアの機能やデータを組み込むことができるようになります。
例えば、SNSサービスのAPIを利用すれば、ユーザー認証の機能や投稿データの取得など、そのSNSサービスが提供している機能をソフトウェア内で利用することが可能です。これにより、自身がゼロからそれらの機能を開発する手間を省き、効率的にソフトウェア開発を進めることができます。
また、APIを利用するには、開発者がAPIの提供者から許可を得るための「APIキー」を取得する必要があります。これにより安全性が確保され、悪意ある利用を防ぐことが出来ます。
APIの活用場面
APIを使う主な場面としては、システム間のデータ連携、外部データの利用、再利用可能なコンポーネントの開発などが挙げられます。
例えば、ECサイト開発時には決済サービスのAPIを用いて、決済機能をスムーズに導入することができます。また、SNS連携機能を想定する際には、各SNSのAPIを活用することにより、ユーザー認証や投稿データの取得が可能となります。
これらの場面でAPIを効果的に使用することで、開発の効率化を図ると共に、ユーザー体験の価値を高めることが可能です。
APIの種類とそれぞれの特性
このセクションでは、多様なAPIの種類とそれぞれの独自の特性について詳しく解説します。
APIはバス機能やデータを優れた方法で共有するためのインターフェースであり、その存在はソフトウェア開発の効率を大きく向上させます。
これらのAPIの種類は基本的には四つあり、それぞれが異なる目的と仕組みで機能します。
Web API
Web APIはHTTPやHTTPSを通じて通信を行い、クラウドを介した通信が可能です。
これはウェブサービスやウェブベースのソフトウェアに適用され、多くの場合、JSONやXML形式のデータを返します。
Web APIの主な機能は、他のユーザーやサービスと情報を共有することで、ソフトウェアまたはウェブサイトの機能を拡張します。
ネイティブAPI
ネイティブAPIは、特定のオペレーティングシステム(OS)が提供するAPIです。
これらはOSとハードウェア間のインターフェースを形成し、ミドルウェアやアプリケーションがコンピューターリソースを効率的に使用できるようにする仕組みです。
WindowsやMacOS、Androidなど、それぞれのOSは独自のネイティブAPIを提供しています。
ランタイムAPI
ランタイムAPIはアプリケーションを実行するためのインターフェースです。
一方で、これらのAPIは通常、特定のランタイム環境で動作するソフトウェアに対して使用されます。
その例として、マイクロソフトの「Windowsランタイム」はAPIとして機能し、Windows上でのアプリケーションの開発と実行をサポートします。
ライブラリAPIとデータベースAPI
ライブラリAPIは主にプログラミングで使用され、大半の言語には標準ライブラリが存在し、これらライブラリには色々な便利な機能がAPIとして提供されます。
多くの場合、これらの機能を用いることで開発速度の向上やコードの再利用性が向上します。
データベースAPIはアプリケーションからデータベースに接続をするためのAPIで、これを利用することでSQLコマンドを実行し、結果を取得することが可能になります。
APIの役割と効果
APIは情報技術の世界では決して新しい概念ではありませんが、その有用性と影響力はますます増大しています。APIがソフトウェア開発、セキュリティ強化、情報の状態保持、ビジネス上の利便性の改善などにどのように役立つかを詳しく見ていきましょう。
まずは、APIの基本的な役割です。APIは、異なるソフトウェア間で情報を共有するための橋渡しのような役割を果たします。これにより、ソフトウェア間の連携を可能にすると同時に、新たな機能やサービスを簡単に導入することが可能になります。
また、APIは大量のコードライティングから解放され、データと機能の再利用を可能にします。これにより、開発者は重複作業をすることなく、より効率的にプロジェクトに取り組むことができます。
APIによるソフトウェア開発の効率化
APIはソフトウェア開発の効率化に大いに貢献します。APIを使用することで、開発者は既存の機能を再利用し、ゼロからコードを書くことなく新たなアプリケーションを作成することが可能になります。
特に、Open APIと呼ばれる公開APIは第三者にも利用可能で、開発者がそれぞれのビジネス要件に合わせてカスタマイズできるので、開発時間を大幅に短縮できます。
これによって開発者はソフトウェアの改善やアップデートにより集中することが可能になり、結果としてソフトウェア開発全体の効率が向上します。
APIによるセキュリティの強化
APIはまた、セキュリティの強化にも大いに寄与します。APIを通じてデータと機能を提供する場合、そのアクセスレベルや権限を詳細に制御することが可能になります。
これにより、不要なデータへのアクセスを防ぎ、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えることができます。APIは、不正なアクセスを防止するためのセキュリティ機能も提供するため、全体的なセキュリティ環境を改善する効果があります。
そのため、APIは情報資源の適切な管理と保護を支援する重要なツールとなります。
APIを用いて情報を最新の状態に保つ方法
さらに、APIは情報を最新の状態に保つための有効な手段にもなります。APIを利用すれば、データの取得と更新、管理などを自動化することが可能になります。
例えば、外部のデータソースからリアルタイムの情報を取得したり、自社のウェブサイトやアプリケーションに自動的に反映させたりすることができます。
これにより、ユーザーは常に最新かつ正確な情報を得ることができ、結果としてユーザー体験が向上します。
APIを利用するビジネス上のメリット
最後に、APIを利用することによるビジネス上のメリットを挙げます。
まず、既存のサービスやプロダクトを強化し、新たな価値を生み出すことが可能になります。
たとえば、地図や天気予報のAPIを利用することで、自社アプリケーションにこれらの機能を追加し、ユーザーに便利なサービスを提供することが可能になります。
また、APIを活用することで、ビジネスパートナーとの連携を簡単に行えるようになり、ビジネスの拡大や新たなビジネスチャンスを生むことができます。
APIのリスクと対処法
APIという便利なシステムも、利用にあたってはリスクが伴います。その主なものとして、APIの提供が停止する場合、サーバー障害や不具合が発生した場合、APIの追加費用が発生する場合、そしてセキュリティリスクがあります。ここではそれぞれについて具体的な対処法を考えていきましょう。
APIの提供停止
一つ目のリスクとして、APIの提供元が突然提供を停止する場合があります。これに対する対策としては、定期的なバックアップと、代替のAPIの情報を探しておくことが重要です。APIの提供元が予告なくAPIを提供しなくなることは少ないものの、可能性がゼロではないため、予め注意しておきましょう。
サーバー障害や不具合の発生
次に、APIを用いる中でサーバー障害や不具合が発生することも考えられます。このような場合は、まず発生原因を特定し、それが自社のサーバーに起因するものであれば自社で対処し、API提供元のサーバーの問題であれば提供元に連絡を行うようにしましょう。自社のシステムとAPI提供元との通信状態を常時モニタリングしておくことで、問題の発生を早期に察知し、迅速に対処するための情報収集が可能となります。
APIの追加費用
APIの利用に際して、提供元によっては追加の費用が発生する場合があります。このようなコストは、初めに全て把握しておくことが重要です。特に、無料で提供されているAPIでも、利用状況(たとえばトラフィックの量)によっては追加の費用が発生することもあるため注意が必要です。
APIを用いることで生じるセキュリティリスク
最後に、APIを用いることで生じるセキュリティリスクです。APIはデータの取り扱いが容易になる反面、不正アクセスによる情報漏れのリスクも増大します。そのため、安全な通信路を確立すること、また適切な認証・承認手続きを行うことが必要となります。具体的には、APIキーの管理に注意したり、SSLなどを用いてデータの暗号化を行ったりすることが一般的です。
APIの開発と利用に必要なスキル
APIの開発者や利用者として成功するためには特定のスキルと理解が求められます。
API開発者が要求される基本的な知識
API開発者には、主にプログラミングスキルおよび設計スキルが要求されます。APIを設計し、実装するためには、バックエンド開発の知識、特にHTTPプロトコルやRESTful API設計の理解が必要になります。
加えて、異なるデータ形式(JSON、XML等)の理解、そしてデータベース操作の知識も鍵となります。
また、API開発者としては常に最新の技術トレンドを掴んでおくことも大切です。テクノロジーの世界は日々進化しており、新しい手法やツールが頻繁に導入されています。
API利用者が理解しておくべきこと
一方、API利用者としては、APIからどのようなデータが取得可能であるか、どのようにそれをリクエストすべきかを理解することが求められます。そのためには、HTTPメソッドの理解(GET、POST、PUT、DELETEなど)や、リクエストの書き方などが必要となります。
また、APIは他のシステムとの接続点でもあるため、エラーハンドリング能力も必要となります。不具合が発生したときに、迅速に正確な判断と対応をするためです。
一部のAPIは課金が必要な場合もありますので、それらの仕様を理解し、予算内で効率的に使うやり方を身につけることも重要と言えます。
コード作成時に気をつけるべきポイント
APIを用いてコードを作成する際には、まず綿密な設計を行うことが重要です。一貫性のある設計は、コードの読みやすさと保守性を向上させます。
また、コードを書く際には、APIのレスポンス時間やエラーハンドリングなど、エンドユーザーの体験に影響を及ぼす要因を考慮する必要があります。
そして何より、セキュリティには徹底して配慮すべきです。APIを通じて不正なアクセスやデータ漏えいが起きないように、セキュリティ対策を十分に考慮した開発を心掛けましょう。
APIドキュメンテーションの読み方と理解の重要性
最後に、APIドキュメンテーションの読み方と理解は、API開発者も利用者も共通で必要とされるスキルです。APIドキュメンテーションでは、APIの正確な使い方、利用可能な機能や仕様などを詳しく解説しています。
これらの情報は、APIを正確に理解し、適切な機能を実装し、デバッグし、そして維持する為に不可欠です。したがって、ドキュメンテーションを読み、理解し、使いこなすことが重要なスキルとなるわけです。
ドキュメンテーションの読解スキルは、APIの開発と利用を圧倒的にスムーズにし、業務の生産性を向上させるために重要なスキルといえるでしょう。
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