クラウドストレージとは? わかりやすく10分で解説
はじめに
情報技術が急速に発達する現代社会において、クラウドストレージの利用は日常生活からビジネスまで、多くの場面で重要な役割を果たしています。しかし、「クラウドストレージとは何か」「具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのか」など、その詳細については十分に理解していない方も多いかもしれません。 この記事では、そんなクラウドストレージについて、その基本的な概念から安全性、利便性の観点など深堀して解説します。
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、文字通り「クラウド(インターネット)上のストレージ(保管場所)」です。クラウドストレージは、ユーザーがインターネット経由で自身のデータをアクセス・管理・保存できるように提供されるサービスのことを指します。パソコンやスマートフォンなど、どのデバイスからでもインターネットに接続すれば、いつでも自分のデータにアクセス可能です。そのため、データの損失を防止したり、複数の人とデータを共有したりする際に役立ちます。
クラウドストレージの普及
近年、クラウドストレージは急速に普及しており、その背景には、クラウドストレージを活用することで生じる多くのメリットがあります。例えば、物理的なストレージへの依存を減らしてスペースを節約する、データのバックアップが容易になる、場所を問わずにデータにアクセスできるなどが主なメリットです。また、ビジネスの現場では、データの共有や協働作業を容易になるため、作業の効率化が期待できます。その結果、個人利用だけでなく、様々な業種の企業で活用されており、その利用者数は日々増加しているといえるでしょう。
クラウドストレージのメリット
さて、ここからはクラウドストレージの魅力となる「メリット」について掘り下げていきましょう。
どこからでもアクセス可能
クラウドストレージの最大のメリットは、データにいつでも、どこからでもアクセス可能であるという点です。データはインターネット上のサーバーに保存されているため、インターネットへの接続があれば、場所を選ばずアクセス可能です。
データのバックアップが容易
また、データのバックアップも容易です。自動的にクラウド上に保存されるので、パソコンやスマートフォンが故障した場合でも、データをロストせず復元できます。これは、データを保存する上で大きな安心感を提供します。
コスト削減
さらにクラウドストレージを利用することで、設備投資コストや運用コストの削減も可能です。従来は自社でサーバーを用意し、運用・メンテナンスする必要がありましたが、クラウドストレージなら月額料金のみで使用できます。
共有と協業の容易さ
また、クラウドストレージなら、データ共有が簡単です。特定のファイルやフォルダーを指定して、特定の人と共有できます。これにより、遠隔地にいるチームメンバーや、異なる組織との協業もスムーズです。
自動アップデートで常に新しい機能を利用可能
加えて、クラウドストレージのサービスは、自動アップデートされます。新規機能の追加や、セキュリティの強化などのアップデートが自動的に行われるので、ユーザーは常に新しい機能を使い続けられます。
スケーラビリティ(拡張性)
最後に、クラウドストレージには「スケーラビリティ(拡張性)」というメリットもあります。データの量が増えても、簡単にストレージ容量を増やせるので、事業の拡大や縮小に柔軟に対応可能です。
クラウドストレージのデメリット
一方、クラウドストレージも決して全てが理想的なものではなく、一部のデメリットが存在します。ここでは、その主なデメリットについて解説します。
インターネット接続が必須
クラウドストレージの最大の利便性は、何も持たずにデータにアクセスできることですが、インターネット接続が必須であることも意味します。接続環境が悪い場所や、何らかの理由でインターネットが使えない場合、データにアクセスしたり、作業を続けたりすることはできません。
セキュリティリスク
次のデメリットはセキュリティリスクです。クラウドストレージの供給業者は、ユーザーのデータを保護するために様々なセキュリティ対策を講じています。しかし、ハッキングのリスクは常に存在し、万が一、データセンターが攻撃を受けた場合、重要なデータが漏洩する可能性も否定できません。
プライバシーの懸念
また、プライバシーの懸念もクラウドストレージのデメリットとして挙げられます。供給業者によっては、マーケティング目的でユーザーのデータを分析する可能性もあります。情報が第三者に漏れることなく、自身のデータを自分だけのものとして保持したいと思うなら、クラウドストレージの使用はよく考えるべきです。
データ移行の難しさ
データ移行の難しさもデメリットの一つです。クラウドストレージを変更したくなった時、大量のデータを新しいストレージに移行する作業は困難かつ時間がかかることが一般的です。フラットなファイルシステムでなく、独自のフォーマットを持つクラウドサービスでは特にその傾向があります。
クラウドストレージの安全性
データをクラウド上で保存することには数々のメリットがありますが、一方で「どれだけ安全なのか?」という問いがついてまわります。ここではクラウドストレージの安全性について詳しく説明します。
クラウドストレージのセキュリティ機能
さまざまなクラウドストレージプロバイダーは、セキュリティ確保のために多種多様な機能を提供しています。その一つがエンドツーエンドの暗号化です。これにより、データがユーザーのデバイスからクラウドまでの間、またクラウドからデバイスまでの間を移動するときに、それが読み取られることを防ぎます。
また2段階認証は、ユーザーのアカウントに何かしらの不審な動きがあった場合にアラートを発する機能です。例えば、未知のデバイスからのログインを感知した場合などがそれにあたります。
さらに、多くのクラウドストレージプロバイダーはデータの復元機能を備えています。これはデータが何らかの理由で失われた場合、一定期間内であれば元の状態に復元できるというものです。
安全なクラウドストレージの選び方
では、これらのセキュリティ機能を備えた安全なクラウドストレージを選ぶにはどうすればいいのでしょうか。まず、クラウドストレージプロバイダーが提供するセキュリティ機能を確認しましょう。それらの中に前述のエンドツーエンドの暗号化・2段階認証・データの復元機能が含まれているかどうかのチェックが重要です。
次に、そのプロバイダーがどのようにデータを保護しているかの理解が必要です。何らかの事故や災害によりデータセンター自体が損害を受ける可能性もあるため、プロバイダーが施設自体のセキュリティにどの程度投資しているかを調べるのも一つの方法です。
そして最後に、利用者の個人情報をどのように取り扱うかについてのプライバシーポリシーをよく読んでおきましょう。これにより、自分のプライバシーが適切に保護されることを確認できます。
ユーザーに合ったクラウドストレージの選び方
以下に、クラウドストレージ選びの主要なポイントを説明します。
自分の使用目的を明確にする
自分の使用目的を明確にすることが最初の一歩です。個人的な写真や動画の保存用途なのか、それともビジネスでのファイル共有がメインなのか、使用目的によって最適なクラウドストレージは大きく変わります。例えば、大量のメディアファイルを保存するのであれば、大容量でリーズナブルなものを選ぶとよいでしょう。一方、チームでのファイル共有が目的なら、共有機能が充実したものを選び、アクセス権の管理などセキュリティ面も重視する必要があります。
提供企業の信頼性
次に確認すべきは提供企業の信頼性です。大切なデータをどの企業に委ねるのか、その企業が信頼に足るものであるかを見極めることは重要です。企業の評判や、どのようなセキュリティ対策を取っているのか、サポート体制はしっかりしているのかなどを確認しましょう。
価格と容量
さらに、自分の予算に見合った価格と容量のサービスを選びましょう。無料プランでも一定の容量と機能が使えるクラウドストレージもありますが、それ以上の容量や機能が必要な場合は有料プランにする必要があります。しかし、必要以上に高額なプランを選んでも無駄が出てしまうので、自身が本当に必要とする容量と、それに見合った価格のサービスを選びます。
操作性
最後に、どれだけ優れた機能を持っていても、自分が操作しにくければせっかくの機能も活かせません。自分にとって使いやすいインターフェースのものを選ぶことも重要です。可能であれば、実際に試用期間などを利用して操作感を確かめてみましょう。
これらの点を考慮して、自分に最適なクラウドストレージを見つけましょう。用途に合わせた選び方をすれば、もっとクラウドストレージが役立つ便利なツールになるでしょう。
まとめ:クラウドストレージの利用を考える
今回の記事では、クラウドストレージの安全性と利便性について、そのメリットとデメリットを通じて詳しく解説してきました。とりわけその使いやすさと拡張性は、業界内でよく語られる利点であり、データのバックアップや共有と、便利で価値があるといえるでしょう。
しかしながら、それに伴うセキュリティリスクやプライバシーの懸念も大きな課題となっており、それらを軽減するための対策と、安全なクラウドストレージの選び方について解説してきました。
自分の使用目的を明確にすること、提供する企業の信頼性を確認すること、その上で価格と容量、操作性を考慮に入れて、適切なクラウドストレージを選びましょう。
ありとあらゆる情報がデジタル化され、それを保管し共有するのが一般的になる昨今、クラウドストレージは私たちの生活に欠かせない存在になっています。その利便性と便利さを享受しつつ、適切な選択と利用方法で、潜在的なリスクを最小限に抑えていくことが必要です。
インターネットの進化と共に、これらの技術も進化し続けています。だからこそ、常に新しい情報を入手し、自分にとって最適な選択を続けることが重要です。
Pickup ピックアップ
-
インタビュー
「切れない」VPNに認証の側面から安心をプラス|Absolute Secure Access ✕ Soliton OneGat...
-
イベント報告
【ウェビナー】知っておきたい「医療ガイドライン第6.0版」のポイントと、求められるセキュリティ対策とは?|アクシオ×ソリトンシ...
-
インタビュー
フルマネージドの連携ソリューションで快適かつ安全な無線環境を負荷なく実現|Hypersonix × Soliton OneGa...
-
インタビュー
「まずは認証から」現場の課題に寄り添い、実現可能なゼロトラストセキュリティソリューションを提案|萩原テクノソリューションズ×ソ...
-
インタビュー
新たな脅威への対応まで『任せられる』。「Prisma SASE」で、組織のセキュリティ対策をシンプルに強化|パロアルトネットワ...