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機密文書の3つの分類と正しい管理方法

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2023年11月28日 www.soliton.co.jp より移設


「社外秘」と記載された書類やデータなど一部の社員にのみ開示される特定の情報は、企業内で「機密文書」として扱われます。機密文書はその重要度や開示の範囲に応じて、社外秘文書、秘文書、極秘文書という3つの区分に分けられており、それぞれどの程度の機密であるのかを押さえておく必要があります。今回は、企業にとっての機密文書の分類と管理方法、保管・廃棄方法について詳しく紹介します。

機密文書とは

機密文書とは、その企業に関する極めて重要な文書であり、秘密保持を行わなければならないものと定義されています。秘密保持を適切に行わず、万が一文書やデータが漏えいすると、組織に甚大な損害や損失を与えるおそれがあります。

例として、人事・財務に関する情報、仕入れ価格やクレームの内容、研究・開発中の製品情報、取引先や顧客のリストと個人情報、図面やデザインなどがあげられます。これらの情報は企業の業績や今後の事業活動に直結する情報資産であり、他社との差別化や競争を勝ち抜くうえでも必須のものであるため、不用意に外部に漏らしてはならないものです。

機密文書は、漏えいした際の影響レベルによって3つに区分されます。社外に開示してはならないものは「社外秘文書」、取扱い部署など一部の社員にしか開示してはならないものは「秘文書」、経営に関わる役職員などごく一部の社員にしか開示してはならないものは「極秘文書」となります。

機密文書の3つの分類

前述のように、機密文書には社外秘文書、秘文書、極秘文書があり、それぞれのレベルが設定されています。詳しく内容を見ていきましょう。

社外秘文書

社外秘文書は社内での共有が可能ですが、社外に漏らしてはならない文書のことです。顧客情報や企画書など、社内でのみ共有できる情報は社外秘として設定されます。3区分のうちもっとも重要度が低い文書ですが、社外の人間の目に付く場所に不用意に置いたりしないように注意が必要です。

例:会議の議事録、顧客リスト、営業企画書

秘文書

秘文書は役員やプロジェクトに携わっている人など、一部の人のみが閲覧を認められる文書です。社外秘文書より重要度が高く、具体的には契約書や人事関連の情報などが該当します。

例:重要契約書、人事ファイル

極秘文書

極秘文書は3つの区分の中でももっとも重要かつ厳重に管理すべき文書で、企業経営に直結する内容などが含まれます。経営に関わる役員などごく一部の人だけが閲覧できる文書です。公開前の研究開発結果、プロジェクトの詳細など、事業を進めていくうえで決して漏えいしてはならない文書はすべて極秘文書扱いとなります。

例:特命プロジェクト、未公開の経理情報

機密文書の管理方法

機密文書の管理は、上記の3区分のいずれに該当するかによって管理方法が異なります。まずは社内のデータのうち、保護すべき情報をすべて洗い出したうえで重要度に応じて分類しましょう。保有するすべての情報を機密情報として管理する場合コストや手間が増大するため現実的ではありません。

レベル分けを行った後は、それぞれについて保管・漏えい対策を立てます。「万が一データが漏えいしてしまったら」と考え、外部に知られたくないものは暗号化してデータを管理するなど、セキュリティ対策も実施しましょう。

文書の作成や管理を行う担当者の選定と社内教育も機密保持には必要不可欠です。人為的に情報が漏えいするセキュリティインシデントに備え、機密情報の取り扱いを慎重に行うよう伝えます。文書の受け渡し・保管・廃棄など各工程における取扱いルールを策定し、周知徹底を行ってください。

機密文書の保管と廃棄

機密文書の保管は、紙媒体の場合は第三者が簡単に閲覧できない場所に保管しなければなりません。また、社内から不正に機密情報が持ち出されることのないように、専用の倉庫で保管したり、収納ボックスをワイヤーで固定したりするような物理的手段を行うことも有効です。

ただし、自然災害などでオフィスや倉庫が被災する可能性もあるため、データ化して管理する方法もとられています。データとして保管する場合は、不正アクセスや脆弱性などによるデータ漏えいを防ぐために、セキュリティ対策を万全に行いましょう。

紙媒体の機密文書を廃棄するときは、少量であればシュレッダーにかけるか、または専門の業者によって焼却処理にかける方法が選べます。社内のシュレッダーであればセキュリティ上のリスクを低く抑えられますが、手間と時間がかかるデメリットがあります。

焼却処理は確実に機密文書を廃棄できる方法ですが、配送中や焼却されるまでの間にデータが漏えいするおそれがあるため、確実かつ迅速に処理を行える業者を選ぶようにします。

焼却処理と似たものに直接溶解という方法もあり、段ボールに文書を収納したまま開封することなく処分することができますが、これも、配送中や溶解されるまでの情報漏えいリスクがゼロとは言えません。極秘文書は社内で廃棄するなど、書類の分類に合わせて適切な廃棄方法を検討するようにしてください。

機密文書は閲覧可能な範囲に応じて3つに区分され、それぞれに適切な管理と廃棄が必要になります。まずは文書・データの分類を行い、作成から廃棄までの取扱いルールを設けるとともに機密保持の意識を高めましょう。

監修:社会保険労務士 八木 徹

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム