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中間者攻撃(MiTM攻撃)とは? わかりやすく10分で解説

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目次

はじめに

近年、インターネットの普及とともに、私たちの生活はデジタル化されてきました。その結果、サイバーセキュリティの重要性が高まっています。特に、中間者攻撃(MiTM)という手法は、多くのユーザーが知らない間に被害を受ける可能性があるため、理解と対策が求められています。


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サイバーセキュリティの重要性

インターネットを利用することで、情報の収集やコミュニケーションが劇的に便利になりました。しかし、その裏で、悪意を持った者たちが個人情報を盗むための攻撃を行っています。これらの攻撃は、個人のプライバシーの侵害だけでなく、経済的な損失をもたらす可能性があります。

中間者攻撃(MiTM)の概要

中間者攻撃は、文字通り通信の中間に位置する攻撃者が通信内容を盗聴や改ざんする手法を指します。具体的には、ある二人のユーザーが通信している際にその通信を傍受し、必要な情報を取得したり通信内容を変更したりします。このような攻撃は、ユーザーが気づかない間に行われるため、非常に危険です。

中間者攻撃(MiTM)の仕組み

中間者攻撃は、その名の通り通信の中間に介入する攻撃手法です。この攻撃がどのように行われるのか具体的な仕組みを知ることで、より効果的な対策を考えることができます。

通信の基本

通常、ユーザーAとユーザーBが通信を行う場合、直接的なやり取りが行われます。この時、通信内容は暗号化されていることが多いため、第三者が内容を読み取ることは困難です。しかし、暗号化されていない通信や、セキュリティの脆弱性が存在する場合、攻撃者がこの通信を傍受することが可能となります。

攻撃者の立ち位置

中間者攻撃では、攻撃者はユーザーAとユーザーBの間に位置します。この位置から、攻撃者は通信内容を盗聴したり、改ざんしたりすることができます。特に、公共のWi-Fiなどのセキュリティが不十分なネットワークを利用している場合、攻撃のリスクが高まります。

攻撃の具体的な手順

中間者攻撃の一般的な手順は、まず攻撃者がネットワークに接続します。次に、ユーザーAとユーザーBの通信を傍受し、必要な情報を取得します。この時、攻撃者は通信内容をそのまま盗聴するだけでなく、内容を改ざんして再送することも可能です。このようにして、ユーザーは攻撃者が送信した偽の情報を受け取ることとなり、さまざまな被害を受ける可能性があります。

MiTM攻撃の危険性

中間者攻撃は、ユーザーが気づかない間に行われることが多いため、非常に危険な攻撃手法です。このセクションでは、MiTM攻撃による具体的な危険性やリスクについて詳しく解説します。

個人情報の漏洩

中間者攻撃の最も一般的な被害は、個人情報の漏洩です。攻撃者は、ユーザーが送信する情報を傍受することで、氏名・住所・クレジットカード情報などの機密情報を盗み取ることができます。このような情報が漏洩すると、不正な取引や詐欺などの被害に遭う可能性があります。

データの改ざん

攻撃者は、通信内容を傍受するだけでなく、データの改ざんも行うことができます。例えば、ユーザーがオンラインショッピングをしている際に、攻撃者が通信を傍受し、注文内容や金額を変更することなどが可能です。このような改ざんにより、ユーザーは意図しない商品を購入することや、高額な請求を受けるリスクが生じます。

その他のリスク

上記のような被害の他にも、中間者攻撃にはさまざまなリスクが伴います。例えば、攻撃者がユーザーのアカウントにログインし、不正な操作を行うことや、マルウェアを仕込むことで、ユーザーのデバイスを遠隔操作することも可能です。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが非常に重要です。

中間者攻撃の実例

中間者攻撃は、理論的なものだけでなく、実際に多くの場面で発生しています。このセクションでは、具体的な中間者攻撃の事例と、その影響について詳しく解説します。

公共Wi-Fiのリスク

カフェや空港、ホテルなどで提供される公共Wi-Fiは非常に便利ですが、セキュリティが不十分な場合が多く中間者攻撃のリスクが高まります。過去には、公共Wi-Fiを利用しているユーザーの通信を傍受し、ログイン情報やクレジットカード情報を盗み取る事例が報告されています。

ソフトウェアの脆弱性を利用した攻撃

使用しているソフトウェアに脆弱性が存在すると、攻撃者はその脆弱性を利用して中間者攻撃を行うことができます。特に、セキュリティアップデートを適用していないソフトウェアは攻撃のターゲットとなりやすく、重要なデータの漏洩や改ざんのリスクが高まります。

その他の事例

上記のような事例の他にも、中間者攻撃はさまざまな形で発生しています。例えば、偽の通信基地局を設置してモバイル通信を傍受する攻撃や、DNSの脆弱性を利用して通信をリダイレクトする攻撃など、攻撃手法は日々進化しています。これらの事例を知ることで、より効果的な対策を考えることができます。

MiTM攻撃から身を守る対策

中間者攻撃のリスクを理解した上で、次に考えるべきはその対策です。適切な対策を講じることで、攻撃のリスクを大幅に減少させることができます。

通信の暗号化

通信内容を暗号化することは、中間者攻撃を防ぐ最も基本的な対策の一つです。HTTPSやSSL/TLSなどの技術を利用して通信内容を暗号化することで、攻撃者が通信内容を読み取ることを難しくします。特に、個人情報や重要なデータを送信する際には、必ず暗号化された通信を利用するようにしましょう。

セキュアなネットワークの利用

公共Wi-Fiなどのセキュリティが不十分なネットワークは、中間者攻撃のリスクが高いため、利用を避けるかVPNなどの技術を利用して通信を保護することが推奨されます。また、自宅のWi-Fiにも適切なセキュリティ設定を行うことで、外部からの攻撃を防ぐことができます。

ソフトウェアの定期的な更新

使用しているソフトウェアやOSには、定期的にセキュリティアップデートが提供されます。これらのアップデートには、新たに発見された脆弱性を修正するためのパッチが含まれていることが多いため、定期的にアップデートを適用することで、攻撃のリスクを減少させることができます。

多要素認証の導入

多要素認証は、パスワードだけでなくスマートフォンなどの別のデバイスを利用して認証を行う方法です。この方法を導入することで、攻撃者がパスワードを盗み取ったとしても、不正なログインを防ぐことができます。


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まとめ

この記事を通じて、中間者攻撃の仕組みや危険性、そしてその対策について詳しく解説しました。インターネットの普及とともに、サイバーセキュリティの重要性は日々高まっています。その中でも、中間者攻撃は非常に巧妙で危険な攻撃手法として知られています。

中間者攻撃の予防の重要性

中間者攻撃は、ユーザーが気づかない間に行われることが多いため、予防が非常に重要です。適切なセキュリティ対策を講じることで、このような攻撃から自身のデータやプライバシーを守ることができます。特に、通信の暗号化やセキュリティネットワークの利用は、基本的ながら非常に効果的な対策となります。

今後のサイバーセキュリティの動向

技術の進化とともに、攻撃手法も日々進化しています。しかし、それに対抗するセキュリティ技術も同様に進化しており、今後もこの攻防は続いていくでしょう。ユーザーとしては、常に新しいセキュリティ情報を取得し、適切な対策を講じることが求められます。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム