ネットワークの構成要素を詳しく解説
私たちは公私にかかわらずネットワークを利用しています。普段何気なく利用しているインターネットは、通信ネットワークの一種です。業務で利用する社内ネットワークも、自宅でインターネットに接続するための環境もネットワークとしての基本的な仕組みは変わりません。
この記事では、ネットワークの基礎知識として、構成要素やその仕組みについて説明します。
そもそも「ネットワーク」とは?
ITシステムにおけるネットワークとは、「コンピューターを相互に接続した状態」を表します。また、「データが流れる経路」と捉えることもできるでしょう。ネットワークという状態・通信経路が存在するからこそ、私たちはデータを送信したり、Webサイトを閲覧したりすることができるのです。
ネットワークの構成要素
ネットワークは大きく「コンピューター」「ネットワーク機器」「伝送媒体」の3つの要素から成り立っています。この3つの要素が組み合わさってネットワークが構成され、相互通信を可能にしています。
コンピューター
コンピューターには、パソコン・スマートフォン・サーバーなどの機器が含まれます。パソコンやスマートフォンはユーザー(人間)が操作しネットワークへ接続する入り口であり、サーバーはコンテンツを格納し、ネットワークを経由して利用者に提供します。
例えば、ネットショッピングではパソコンやスマートフォンのアプリを使ってWebサーバー(Webサイト)へアクセスし、情報をやり取りしています。動画サイトの視聴に関しても同様に配信サーバーが存在します。
コンピューターは、ネットワークを構成する上で、エンド・ツー・エンドの通信を実現するための要素として欠かせません。
ネットワーク機器
普段インターネットや社内ネットワークなどを利用していると、ネットワーク機器の存在はあまり意識することはないでしょう。しかし、ネットワークはネットワーク機器なしには構成できません。
自宅に光回線などのインターネット接続環境を構築している場合には、ルーターやONUなどがネットワーク機器に該当します。また、ハブやL2スイッチなどを利用している場合もありますが、これらも家庭内ネットワークを構成するためのネットワーク機器の一種です。
コンピューターを相互に接続しコンテンツを利用するためには、データ通信を仲介するネットワーク機器に接続する必要があります。ハブやL2スイッチは複数のコンピューターを取りまとめる存在であり、ルーターはネットワークの経路を選択・決定する機器です。
また、ONUは光信号とデジタル信号を相互変換するものであり、インターネット接続のためには欠かせないネットワーク機器の1つです。
伝送媒体
コンピューターやネットワーク機器は、伝送媒体で接続されます。おもに伝送媒体にはLANケーブルと無線電波の2種類が存在します。
LANケーブルは物理的なケーブルであり、有線LAN環境を構築する際に利用する伝送媒体です。コンピューターとL2スイッチ・ルーターなどをLANケーブルで接続し、ネットワークを構成します。
近年では、Wi-Fiなどの無線電波を用いたネットワーク構成も多いでしょう。Wi-Fiは無線接続の規格であり、無線LAN環境を構築する際に用いられます。Wi-Fiに対応したコンピューターとネットワーク機器が必要です。
コンピューターのなかでは、デスクトップ型パソコンやサーバーは、LANケーブルを伝送媒体にするものが多く、モバイル型パソコンやスマートフォン、タブレット端末のほとんどはWi-Fiを伝送媒体にしています。
ネットワークの仕組み
ネットワークで接続されたコンピューター同士は、プロトコルと呼ばれる規約にしたがって通信を行っています。異なる企業・ベンダーが提供するパソコン・スマートフォン・サーバーであっても、相互通信が実現しているのはプロトコルに準じているからです。
また、相互に通信するためには通信相手を把握する必要があります。そのために用いられるものがIPアドレスであり、ネットワーク上における住所と捉えることができるでしょう。IPアドレスを使って通信相手を特定し、プロトコルを使って定められた通信手順・方法で通信を行うため、ネットワーク上でのやり取りが実現しています。
ネットワークの種類
ネットワークと一言でいっても、用途や構成によって複数の分類が存在します。ここでは、簡単に4つのネットワークの種類について見ていきましょう。
LAN
LAN(Local Area Network)は、限られた範囲内で接続されているネットワークです。社内ネットワークや、自宅のネットワーク環境などが該当します。有線でLANを構成すれば有線LAN、無線であれば無線LANとなります。LANは閉じられたネットワークであり、その他のLANやインターネットなどへの異なるネットワークへの接続にはルーターが必要です。
WAN
WAN(Wide Area Network)は、LANよりも広範囲のネットワークです。遠く離れたLAN同士を接続するネットワークと考えるとよいでしょう。おもに通信事業者が提供する回線を利用して、企業の本社と支社をつなげる際などに利用されます。
イントラネット
イントラネットは、インターネットを構成しているのと同じ技術で構築された、閉じられた ネットワーク環境です。おもに企業で関係者や社内ネットワークとして利用されるケースが多いでしょう。インターネットと似ていますが、誰でも利用できるわけではない点が大きな違いです。
インターネット
誰もが接続可能であり、世界規模で構成されている巨大なネットワークです。ここまでに紹介したネットワークの規模として最も大きく、最も馴染み深いネットワークといえるでしょう。誰もが接続可能であることから、悪意を持った利用者もいるため、セキュリティ対策が欠かせません。
この記事のまとめ
ネットワークの基本を理解し活用しましょう。
私たちは普段何気なくネットワークを利用していますが、実際にはネットワークには複数の種類があり、さまざまな要素が絡み合うことで実現しているのです。
ネットワークの基本を理解しておけば、今まで以上に便利にネットワークを利用することができます。深く理解するためには専門知識が求められますが、基本部分を理解することは誰でもできるため、この機会にネットワークについて学び、活用してみてはいかがでしょうか。
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