ネットワーク障害とは? 管理担当者が知っておきたい原因と対策
私たちは、公私を問わずネットワークに接続できることを当然のものとして生活しています。しかし、ネットワーク基盤も完璧ではありません。ネットワーク機器が故障したり、誤ったネットワーク構成をしていたり、アクセスが集中したりすることにより、ネットワーク障害が発生して接続できない状態になることも。特に企業におけるネットワーク障害は、従業員のみならず顧客の業務へも多大な影響をもたらすものです。
そこでこの記事では、ネットワーク障害の概要から発生理由や事前の対策、発生時の対処法について解説します。
ネットワーク障害とは
ネットワーク障害とは、ネットワークの構成要素に問題が発生し、正常な通信できない状態になることを表します。ネットワーク障害の原因はさまざまですが、物理的・論理的不具合によって発生することが多いといえるでしょう。
ネットワークはいまや私たちの生活のベースにもなっているものです。ひとたび問題が発生すると多方面に多大な影響をもたらすものであるため、障害が発生しないよう適切に対応することが求められます。
ネットワーク障害の影響範囲
ネットワークはITシステムの基盤であるため、障害が発生するとさまざまな影響をもたらします。例えば、社内システムにアクセスできない、インターネットに接続できない、といった事態が発生するでしょう。
そのことで業務は停止し、顧客に対して直接サービスを提供している場合には機会損失につながります。企業ネットワークにおける障害は、企業の業績に多大な影響をもたらします。
ネットワーク障害が発生する理由
ネットワーク障害が発生する理由はさまざまです。そのなかでも代表的な例としては次のようなものが挙げられます。
- 機器の物理的故障
- LANケーブルの物理的故障
- ネットワーク帯域の圧迫(輻輳-ふくそう-)
- 設定誤りなどの人的ミス
- インターネット回線事業者側の不具合
など
ネットワークは、L2スイッチやルーターなどのネットワーク機器が相互につながることで構成されています。利用時に電源をONにするパソコンとは異なり常時稼働し続けるものであり、物理的な故障は直ちにネットワーク障害に繋がります。また、ネットワーク機器同士を接続しているLANケーブルの破損(断線)によるネットワーク障害も考えられるでしょう。
物理的な原因だけでなく、輻輳や設定誤りなどの論理的な部分が原因になる場合もあります。例えば、アクセスが集中してネットワーク機器の性能を超えるトラフィック量を処理しなければならなくなった場合、遅延や接続できないといった状態に陥ります。
加えて、人間の不注意が重大な障害に繋がるケースもあります。ネットワーク構成を変更する際には、ルーティング先を一つ間違えるだけでも障害が発生する場合があるため注意が必要です。
その他にも、社内のネットワークに接続できてもインターネットに接続できないといった場合には、インターネット回線事業者側の不具合が考えられるでしょう。ネットワーク障害はいつ発生するかわからず、地震などの災害によってもたらされる場合もあります。
ネットワーク障害に備える対策
ネットワーク障害に対しては、第一に単一経路のネットワーク構成としないことが重要です。仮にどこかで障害が発生したとしても、別の経路からネットワーク接続を維持できるようにすることが望ましいといえるでしょう。
そのためには、ネットワーク機器の冗長化を行い、複数のネットワーク経路を用意します。システムの規模や重要度に応じて冗長化対策を実施するようにしましょう。
また、障害が発生した際にすぐに対応できる環境を整えておくことも重要です。日頃からネットワークの状態を監視し、障害が発生した際の対応手順などもマニュアル化しておきます。
ネットワーク障害発生時の対処法
実際にネットワーク障害が発生した際の対処法・流れとしては次のとおりです
- 発生箇所、影響範囲の特定
- 原因の特定
- 要因の特定
- 復旧作業、再発防止
はじめにネットワーク障害がどこで起きているのか、どの程度の影響があるのか、といった部分を明らかにします。「ネットワークがつながらない」と一言でいっても、特定の端末のみがつながらないのか、社内全体でつながらないのかでは大きく意味が異なります。発生箇所と影響範囲を特定した上で次のステップに進みます。
このとき、調査と併せてユーザーへの影響が最小限になるように、異なるネットワーク経路が利用できるようにすることも忘れないようにしましょう。
発生箇所を特定することで、原因にもある程度の目処が立てられます。原因の特定と併せて、その事象が引き起こされる要因も確認することが重要です。表面的な原因だけを確認して対応すると、場合によっては別の障害が発生する可能性も考えられます。
これらの調査結果をもとに復旧作業を行い、再発防止に向けた対応も併せて行います。
この記事のまとめ
ネットワーク障害の対策をしておきましょう。
業務においてネットワークの存在は非常に重要です。ネットワーク障害が発生すると企業活動に多大な影響をもたらすため、対策は必須といえます。ネットワークの規模が大きくなるほど対策は難しくなりますが、設計時からしっかりと障害が発生する可能性を考慮し、対応策を用意しておくことが重要です。
既存のネットワークにおいても、冗長化によってネットワーク障害への対策が実施できるため、この機会に対策を考えてみてはいかがでしょうか。
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