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トラフィックとは? 増加による懸念点や対策について解説

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情報化が進んだ昨今、企業におけるネットワークの重要性は年々高まっています。ネットワークを快適に利用するために、理解しておきたい指標の1つに「トラフィック」が挙げられます。業務を円滑に進めるための環境を構築するためには、トラフィックに関する理解が欠かせません。

この記事では、トラフィックの概要からトラフィック増加の影響や原因、社内ネットワークにおける対策方法などについて解説します。

トラフィックとは

トラフィックとは、交通量や通行量を意味する用語であり、IT分野ではネットワーク上を流れるデータの通信量を表します。一定期間内の流入・処理するデータ量を単位時間あたりに換算することが一般的です。

ネットワークの性能によって処理できるトラフィックは限られています。快適にネットワークを利用するためには、トラフィックの増減による影響を知ることが重要です。

トラフィック増加による通信への影響

トラフィックが増加すると、(通信する端末毎でみた場合の)ネットワーク速度の低下やデータの損失などが発生しやすくなります。交通量を意味するように、道路が混雑して渋滞が発生している状態を想像するとわかりやすいでしょう。データを思うように運べず、途中で通信がキャンセルされてデータ損失が発生する可能性があります。

トラフィック増加はネットワークの帯域を圧迫するだけでなく、サーバーの負荷増加にも影響を及ぼします。こちらは窓口に行列ができていることをイメージするとわかりやすいでしょう。サーバーの処理能力を超えたトラフィックが発生することで、サーバーに負担がかかりパフォーマンスの低下を引き起こします。

このようにトラフィック増加により、一箇所に集中することを「輻輳」と呼び、回線の混雑やパフォーマンスの低下を引き起こす原因になります。

トラフィックが増加する原因

トラフィック増加の原因としては、データ容量の大きなサービスの普及に加えて、ネットワークを利用する機器が増加していることが挙げられます。近年では、ほとんどの人がスマートフォンを所有しており、パソコンとあわせて一人で複数台のコンピューターを扱うことは珍しくありません。また、さまざまなモノをネットワーク(インターネット)に接続するIoTも普及し、今まで以上にネットワークに接続する機器が増加してきています。

加えて、コロナ禍でテレワークが普及したことで、自宅などから社内ネットワークへ接続する機会が増えました。その際にはVPNルーターなどへのアクセスが集中し、輻輳状態になりやすくなっています。

クラウドサービスの業務利用も増え、社内外からさまざまなネットワーク接続が行なわれるようになっていることが、トラフィックが増加している原因となっています。

社内ネットワークにおけるトラフィック増大への対策

このようなトラフィックの増加に対しては、ネットワーク機器やインターネット回線の増強が有効な対策手段です。

前項のVPNルーターを含め、社内ネットワークを構築するネットワーク機器はそれぞれに処理可能なトラフィックが定められています。機器自体の性能を向上させることとあわせて、冗長化や負荷分散などの技術を上手に使ってトラフィックを処理することが重要です。

また、テレワークやクラウドサービスの業務利用を快適にするためには、社内ネットワークだけでなくインターネット回線の速度も重要になります。業務でインターネット回線を利用する機会は多く、高速な光回線を利用することとあわせて、複数の回線を利用するためのマルチホーミングを採用するなどの対策が求められます。

トラフィック監視の重要性

前項の対策を効果的に実施するためには、トラフィックの見える化が欠かせません。ネットワークの状態・状況を監視し、どの場所・どのタイミングでトラフィック増加が発生しているのか、などを把握できるようにしましょう。

トラフィックの見える化が実現できれば、ネットワーク上で問題が発生した際も迅速に対処できるようになります。業務においてネットワークの重要性は非常に高くなっており、ネットワークは常に接続されている状態を保つことが重要です。

ネットワーク上の異常を発見して迅速に対応することは、業務を効率的に行うためにも必要不可欠な要素といえるでしょう。ネットワーク上のトラフィックを監視するソリューションのなかには、アプリケーション別のトラフィックや通信の内訳まで可視化できるソリューションも存在します。

これらのソリューションも活用しながら、トラフィックの見える化を実現してトラフィック増大に対応しましょう。

この記事のまとめ

トラフィックを監視し、適切な環境を整えましょう。

ネットワーク上を流れる通信量をあらわすトラフィックは、年々増加傾向にあります。トラフィック増加によってネットワークやサーバーなどに負荷がかかると、通信が不安定になり、パフォーマンスに影響を及ぼしかねません。

増加するトラフィックを十分に処理できる環境を整えると共に、トラフィックを見える化をして監視することが重要です。最適なネットワーク環境を整えるためにも、まずはトラフィックの見える化から対応してみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム