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USB3.1とは? わかりやすく10分で解説

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目次

USB3.1とは?

USB3.1は、強力なデータ転送能力を持つ"SuperSpeedPlus"と呼ばれる新規格の一つで、最高の転送速度は10Gbpsとされています。これはUSB3.0の2倍の速度であり、USB2.0規格の機器とも互換性を持っています。

また、USB3.1はUSB Type-C仕様を含む、最大100Wの電源供給能力を持っており、これはUSB3.0の電源供給量の20倍以上です。この強力な電源供給能力は、大容量のデバイスや電力が必要なデバイスをサポートするために非常に有用です。

さらに、USB3.1のUSB Type-C仕様の製品は映像出力も可能で、「オルタネートモード」などの機能を備えています。

USB3.1の歴史

USB3.1は、2013年に策定されたUSB規格の一つで、その最大の特徴は「SuperSpeedPlus」という新規格が追加されたことです。実際、この新規格の追加により、USB3.1は「SuperSpeed USB 10Gbps」としても知られるようになりました。

最大データ転送速度の理論値は、10Gbpsとなります。これは、ネットワーク上での高速なデータ転送が必要とされる状況、例えば大量のデータを持つファイルのダウンロードやストリーミングビデオの視聴にとても役立ちます。

のUSB3.1規格はバックワード互換性を持ち、USB3.0やUSB2.0規格の機器でも使用することができます。

USB3.1の規格名とその変遷

USB3.1という名称は変遷してきました。当初は「USB3.1」でしたが、その後「USB3.1 Gen2」となり、さらにその次に「USB3.2 Gen2」へと名前が変わっています。各名称の変更は、USB規格の進化と新たな技術の導入を反映しています。

しかし、異なる名称があると混乱を招きかねないため、どの規格と互換性があるか、どの規格をサポートしているかは、製品を選ぶ際に重要な視点です。

新しいUSB3.1製品を購入する場合、製品の仕様や性能を確認し、自分の需要に適した製品を選ぶことが必要です。

USB3.1の基本的な特性

USB3.1は、著しく高速なデータ転送速度を持っていることで知られています。最大で10Gbpsのデータ転送速度が可能で、このスピードは、USB3.0の2倍に相当します。ビデオや大容量のファイルを高速に転送することを可能にし、ユーザーの時間を節約できます。

また、USB3.1は最大100Wの電源供給能力を備えており、これはUSB3.0の電源供給量の20倍以上です。このような高い電源供給量は、大きな電力を必要とするデバイスの充電や動作に非常に便利です。

USB3.1のバージョンごとの違い

USB3.1はバージョンごとにいくつかの違いがあり、それぞれが異なる卓越した特性を持っています。これらのバージョンの違いは主に最大のデータ転送速度に現れます。

USB2.0該当の略語は「Hi-Speed」で、最大480Mbpsのデータ転送速度を持つのに対して、USB3.0(SuperSpeed USB)は最大5Gbpsのデータ転送速度を持ち、USB3.1(SuperSpeed USB 10GbpsまたはSuperSpeedPlus)の理論値は10Gbpsです。

それぞれのバージョンは後方互換性を持っているため、新しいバージョンのデバイスも旧バージョンのデバイスとの互換性を保つことができます。そのため、自分のニーズに合わせて、最適なバージョンを選ぶことが重要です。

USB3.1のデータ転送速度について

USB3.1には数々の特徴がありますが、テクノロジーユーザーにとって、それらの中でも最も注目に値するのは、データ転送速度が常に追求される現代において、その高速なデータ転送速度です。

USB3.1の最大データ転送速度

USB3.1の最大データ転送速度は、理論値で10Gbpsに達します。「SuperSpeedPlus」または「SuperSpeed USB 10Gbps」として知られていますが、これはその名の通り、USB3.0の2倍のスピードを誇ります。これにより、大容量のデータでも短時間で転送することが可能となりました。

USB3.1と他のUSB規格の転送速度の比較

USB3.1と他のUSB規格(USB3.0やUSB2.0)との転送速度を比較すると、その速度の差は歴然です。USB3.0は最大5Gbps、USB2.0は480Mbpsの転送速度ですので、USB3.1はそれらを大きく上回っています。ただし、USB3.1の高速なデータ転送速度をフルに活用するためには、接続する機器がUSB3.1に対応している必要があります。

USB3.1のデータ転送速度が活用する場面

USB3.1の高速データ転送が最大限に活かされる場面はたくさんあります。例えば、大規模なデータベースを管理するIT企業や映像制作に携わる企業、大量のデータを頻繁に扱う科学者や研究者などがこれらの規格を活用することで、短時間でのデータ転送が可能となります。

USB3.1のデータ転送速度に影響を及ぼす要素

しかし、USB3.1のデータ転送速度は、使用するケーブルの長さや品質、接続される機器の性能などにも影響を受けます。これらの要素が不適切であると、理論値である10Gbpsを達成することは難しくなります。したがって、USB3.1の高速転送を活かすためには、これらの要素も考慮しなければなりません。

USB3.1の電源供給能力とその恩恵

USB3.1は、その高速なデータ転送性能だけでなく、電源供給能力の高さも重要な特徴の一つです。この章では、USB3.1の電源供給能力について詳しく見ていきます。

特に、USB Type-C仕様との組み合わせによって、USB3.1はこれまでのUSB規格と比べて強力な電源供給を可能にしています。

USB3.1の電源供給能力

USB3.1の大きな特徴の一つは、最大100Wの電源供給を可能にする点です。これはUSB3.0の電源供給能力の20倍以上にあたります。

このことからも、USB3.1ではより大きな電力を必要とするデバイスへの電源供給が可能になりました。

また、USB3.1はUSB Type-C接続時にこの特性を発揮しますが、ここで注意が必要なのは、USB Type-Cはコネクタの形状を指しており、必ずしもUSB3.1の性能を有している訳ではない、という点です。

USB PDとは

USB PD(Power Delivery)は、USBの電源供給規範の一つで、最大100W(20V、5A)の電源供給を可能にします。

これによって、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど、大きな電力を必要とするデバイスへの電源供給が可能となりました。

USB PDはUSB3.1と共に活用されており、USB Type-C仕様の製品間で電源とデータの双方向転送が可能になっています。

USB3.1の最大電源供給能力とその活用

USB3.1の最大電源供給能力は大きな利点ですが、その活用方法について理解しておくことが重要です。

最大100Wの電源供給能力の恩恵は、モバイルデバイスの充電時間の短縮や単一のケーブルを介して複数のデバイスを充電することが可能な点にあります。

また、デバイス間で電源の供給と受け取りが可能になるため、電源アダプターを複数持ち歩く必要がなくなり、大幅な利便性の向上を実現しています。

USB3.1の電源供給能力と他のUSB規格との比較

USB3.1は最大100Wの電源供給能力を誇り、それ以前のUSB規格と比較するとその性能は圧倒的になります。

例えば、USB2.0は最大500mA(約2.5W)、USB3.0は最大900mA(約4.5W)の電源供給が可能であったため、USB3.1はこれらと比較すると約20倍以上の電源供給能力を持っています。

このことからも、USB3.1が数多くのデバイスにとって、大幅なパフォーマンス向上を可能にしたことが理解できると思います。

USB3.1の映像出力機能

USB3.1には、より多機能な利用性を提供するために「オルタネートモード」という特筆すべき機能が搭載されています。これによりUSB3.1のType-C仕様は映像信号の伝送が可能となり、ますます便利な規格となっています。

オルタネートモードとは

オルタネートモードとは、USB Type-C端子を通じて非USBプロトコル信号を直接転送するための機能です。この機能により、ディスプレイポート、HDMIなどの映像出力に対応し、USB3.1ケーブル一本で映像と音声を転送することが可能になります。

オルタネートモードの採用はケーブルの煩雑さを減らし、デスクトップスペースをクリーンに保つ一方で、高解像度の映像を効率よく伝送することを可能にしています。

また、マルチモニターセットアップや、外部ディスプレイへの映像出力が必要なラップトップユーザーにもメリットがあります。

USB3.1による映像出力のメリットとデメリット

USB3.1の映像出力のメリットとしては、第一に高速なデータ転送速度により、大容量な映像データをスムーズに転送できることが挙げられます。また、オルタネートモードによる映像転送は、従来の映像出力ケーブルに比べて設定が簡単で、コネクタの種類を選ばないため、様々なデバイスとの互換性が高いと言えます。

デメリットとしては、映像出力に対応するUSB3.1 Type-C端子を持つモニターやディスプレイがまだ一般的でないことが挙げられます。また、映像出力をサポートした製品全てがオルタネートモードをサポートしているわけではないため、購入時には製品の仕様を注意深く確認する必要があります。

USB3.1の映像出力と他の規格との比較

USB3.1の映像出力は、従来のHDMIやディスプレイポートに比べて、データ転送速度と汎用性で優れています。これは、USB3.1が映像だけでなく音声、データ、そして電力供給まで一つのケーブルで行えるためです。

ただし、映像品質の面では、解像度やリフレッシュレートなどの観点からすると、USB3.1の映像出力はHDMIやディスプレイポートと比較して遜色ありません。

USB3.1の映像出力を活用する場面

USB3.1の映像出力は、モバイル機器からの映像出力やデュアルモニター設定など、さまざまな応用シーンで活用することができます。例えば、ノートパソコンやスマートフォンから大型ディスプレイに映像を出力するために使用できます。

また、USB3.1の大電力供給能力は、ディスプレイとデバイスの双方を同時に充電できるため、外出先でのプレゼンテーションや会議での使用にも適しています。

USB3.1とUSB Type-Cの関連性

USB Type-Cとは

USB Type-CはUSBのコネクタ(端子)の規格を指します。この規格は薄く小型化した機器に最適で、どの方向からでも挿入可能なリバーシブル設計が特徴となっています。また、USB PD(Power Delivery)規格に対応する事で、電源供給も可能です。

また、USB Type-Cには「オルタネートモード」という機能があり、映像信号の伝送も可能であり、これにより、ディスプレイとの接続等も可能になります。

USB Type-Cは新しいUSBの規格であり、急速にさまざまな機器に取り入れられています。しかし、USB Type-C端子を持つケーブルが全てUSB3.1の性能を持つわけではありません。

USB3.1とUSB Type-Cの違いと関連性

USB3.1はUSBの通信規格の一つで、「SuperSpeedPlus」の通信モードを持つことで、最大10Gbpsの通信速度を実現しています。「USB Type-C」はあくまでコネクタ(端子)の則格であり、USBそのものの性能とは直接関係ありません。

しかし、USB3.1とUSB Type-Cが組み合わされた製品は多く、一部のハイエンド製品ではUSB3.1 Gen2の通信速度とUSB Type-Cの便利な接続性・高出力電源供給の特長を合わせて提供しています。

要するに、USB3.1の高速な通信機能とUSB Type-Cの便利な特長を兼ね備えた製品が市場に多く存在することから、二つは混同されがちではありますが、実際には別の規格であることを理解することが重要です。

USB Type-Cを持つケーブルが全てUSB3.1を持つわけではない理由

なぜUSB Type-Cを持つケーブルが全てUSB3.1の性能を持つわけではないのか、その理由はUSBの「規格」と「端子形状」が別ものであるからです。USB Type-Cは「端子形状の規格」であり、データの転送速度を決定するのは「通信規格(ここでいうUSB3.1)」です。

つまり、USB Type-Cの端子を持っていても、ケーブルや接続される機器、ハブなどがUSB3.1の「通信規格」に対応していなければ、USB3.1の速度でデータを転送することはできません。

そして製造コストの問題などから、USB Type-Cの端子を持つケーブルや機器全てが新しいUSB3.1通信規格に対応しているわけではなく、旧来のUSB2.0やUSB3.0の通信規格を採用しているものもあります。

USB3.1とUSB Type-Cの正しい選び方

適切なUSB3.1とUSB Type-Cの製品を選ぶためには、自身の使用目的とそれぞれの製品の仕様を確認する必要があります。特に、最大の通信速度を期待するのであれば、「ケーブル」「接続機器」「ハブ」全てがUSB3.1の通信規格に対応していることが求められます。

また、電源供給の利用も考える場合、USB PD対応のUSB Type-Cが必要です。特に、大きな画面のディスプレイ等を使用する場合はこの点もチェックしましょう。

最後に、USB Type-C端子のリバーシブルな形状は便利ですが、USB Type-Aなどとの互換性も必要に応じて考えるとよいでしょう。便利さと互換性、そして性能を総合的に考慮して適切なケーブルや機器を選びましょう。

USB3.1を選ぶ理由

USBの様々な規格の中でも、USB3.1は多機能で便利な規格として注目されています。そのデータ転送速度、電力供給量、映像出力能力などから、USB3.1の採用を検討する多くの理由があります。

特に、USB3.1は前世代のUSB3.0に比べてデータ転送速度が2倍となり、豊富な電源供給能力を持つことから、高性能かつ電源を必要とする機器との接続に便利です。

USB3.1の多機能性

USB3.1はデータ転送速度・電源供給能力・映像出力能力など、複数の機能が一つに組み込まれています。これもUSB3.1を選ぶための大きな理由の一つです。

特に、USB3.1がUSB Type-C仕様の場合、最大100Wの電源供給が可能であり、これはUSB3.0の供給電源よりも20倍以上です。

さらに、USB3.1のUSB Type-C仕様では、「オルタネートモード」という機能を持つ製品が存在し、映像信号の伝送も可能です。

USB3.1で改善される問題点

USB3.1は前世代のUSB規格に比べて、多くの改善点があります。その利点を理解することで、USB3.1の価値をより深く理解できます。

一つには、転送速度が改善されたことが挙げられます。USB3.1では、最大で10Gbpsのデータ転送速度が可能で、USB3.0の転送速度の2倍です。

また、電源供給能力の増加は、外部電源を必要とする機器にとって大きなメリットとなります。

USB3.1の活用方法と転送速度のメリット

USB3.1の転送速度の向上は、大容量のデータ転送に大いに役立ちます。特にデータが広範に及ぶ現代では、転送速度の迅速化は極めて重要です。

このスピードアップは、大きなデータファイルのバックアップや共有を行う際、時間を大幅に節約できます。

また、USB3.1は後方互換性を保持しているため、USB3.0やUSB2.0の機器でも利用可能です。

USB3.1規格を選ぶポイント

USB3.1を選ぶ際には、まずはUSB Type-C仕様であるかどうかを確認してください。USB Type-C規格はUSBの性能とは関係ありませんが、USB Type-C端子を持つケーブルが全てUSB3.1規格に対応しているわけではないことを理解しておきましょう。

また、USB3.1の性能を活かすためには、接続する機器がUSB3.1の高速転送をサポートしているかどうかを確認することも重要です。

そういったポイントを確認した上で選択すれば、USB3.1の性能を最大限に活用することが可能となります。

記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム