【検証報告】バッファロー AirStation Pro(WAPM-AX8R)無線アクセスポイント と NetAttest EPS の認証連携を確認しました

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目次

はじめに

ソリトンシステムズのオールインワン認証アプライアンス「NetAttest EPS」と、バッファロー社製 無線LANアクセスポイント 「AirStation Pro(WAPM-AX8R)」を連携させ、エンタープライズ方式による認証が可能かを確認しました。

無線接続クライアントは、Windows、macOS、iOS、Android OS 搭載端末で、確認した認証方式はパスワード方式(EPS-PEAP)及び、電子証明書認証方式(EAP-TLS)です。


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1. 構成 

1-1 構成図

以下の環境を構成します。

  • 有線LANで接続する機器はL2スイッチに収容
  • 有線LANと無線LANは同一セグメント
  • 無線LANで接続するクライアントPCのIPアドレスは、NetAttest D3のDHCPサーバーから払い出す


1-2 環境

1-2-1 機器

製品名メーカー役割バージョン
NetAttest EPS-SX15A-AソリトンシステムズRADIUS/CAサーバー5.0.4
WAPM-AX8RバッファローRADIUSクライアント
 (無線アクセスポイント)
1.01
NetAttest D3-SX15-AソリトンシステムズDHCPサーバー5.2.10
Lenovo X390Lenovo

802.1Xクライアント

(Client PC)

Windows 10 64bit

Windows 標準サプリカント
MacBook ProApple

802.1Xクライアント

(Client PC)

13.0.1

(macOS Ventura)

iPhone SE 

(2nd generation)
Apple802.1Xクライアント
 (Client SmartPhone)
16.1.1
Pixel 5Google

802.1Xクライアント

(Client SmartPhone)
13

1-2-2 認証方式

IEEE802.1X EAP-TLS/EAP-PEAP

1-2-3 ネットワーク設定

機器IPアドレスRADIUS port (Authentication)RADIUS Secret (Key)
NetAttest EPS-SX15A-A192.168.1.2/24UDP 1812secret
WAPM-AX8R192.168.1.1/24secret
NetAttest D3-SX15-A192.168.1.3/24
Client PCDHCP
Client SmartPhoneDHCP

2. NetAttest EPSの設定

NetAttest EPSのセットアップを下記の流れで行います。

  1. サービス管理ページへのログオン
  2. 初期設定ウィザード (システム、システム-2)の実行
  3. 初期設定ウィザード (サービス)の実行
  4. httpsサービスの再起動
  5. RADIUSクライアントの登録
  6. 利用者の登録
  7. クライアント証明書の発行

2-1 サービス管理ページへのログオン

NetAttest EPSの初期設定はLAN1から行います。初期のIPアドレスは「192.168.1.2/24」です。管理端末に適切なIPアドレスを設定し、Google Chrome もしくは Microsoft Edgeから「https://192.168.1.2:2181」にアクセスしてください。

2-2 初期設定ウィザード (システム、システム-2)の実行

サービス管理ページにログイン後、システム初期設定ウィザードを使用し、以下の項目を設定します。

  • 管理者アカウントの設定
  • 日付と時刻の設定
  • ホスト名の設定
  • ネットワークの設定
  • DNSの設定
  • インターネット時刻サーバーの設定
  • ライセンスの設定

ログイン後に表示される画面より、「セットアップをはじめる」→「すすめる」→「はじめる」と進み、初期設定ウィザードの「システム」に関する設定を行います。

ここからは、システム初期セットアップウィザードの「システム-2」に関する設定を行います。

2-3 初期設定ウィザード (サービス)の実行

OS再起動が完了後、再度サービス管理ページにアクセス及びログインし、サービス初期設定ウィザードを使用して、以下の項目を設定します。

  •  認証の用途の設定
  • 認証の方式の設定
  • 利用者情報リポジトリの設定
  • CA構築
  • サーバー証明書発行

2-4 httpsサービスの再起動

画面上部に「httpsサービスを再起動する」ボタンを選択し、httpsサービスの再起動を行います。
httpsサービスを再起動するとページの再読み込みを求められるため、ページの再読み込みを行います。

2-5 RADIUSクライアントの登録

サービス管理画面の「管理」メニューにて「RADIUS認証」でフィルタリングし、「NAS/RADIUSクライアント」を選択します。表示された画面で「新規登録」ボタンを選択し、RADIUSクライアントの登録を行います。

2-6 利用者の登録 

サービス管理画面の「管理」メニューにて「利用者とデバイス」でフィルタリングし、「利用者一覧」を選択します。表示された画面で「新規登録」ボタンを選択し、利用者登録を行います。

2-7 クライアント証明書の発行

サービス管理画面より、クライアント証明書の発行を行います。[利用者一覧]ページから該当する利用者のクライアント証明書を発行します。
(クライアント証明書は、user01.p12という名前で保存)

3. WAPM-AX8Rの設定

下記の手順でWAPM-AX8Rの設定を行います。

  1. WAPM-AX8Rへログイン
  2. WAPM-AX8RへLAN側IPアドレスを設定
  3. WAPM-AX8RへRADIUSを設定
  4.  WAPM-AX8RへSSIDを設定

尚、設定の際にはPCをWAPM-AX8RとLANケーブルで直結してWEBブラウザから行います。
3-1~3-4の項目の設定が完了次第、WAPM-AX8RをL2スイッチに接続します。
既にL2スイッチに接続済みの場合には、L2スイッチから切り離し、APを再起動して下さい。
※設定用PCのネットワーク設定はIPアドレス:192.168.11.1/24 とします。

3-1 WAPM-AX8Rへログイン

WEBブラウザから[http://192.168.11.100]へアクセスし、WAPM-AX8Rへログインします。
下記のようなログイン画面が表示されますので、各項目に値を入力しログインします。

3-2 WAPM-AX8RへLAN側IPアドレスを設定

ログイン後に「詳細設定」をクリックし、LAN側IPアドレスを設定します。
「LAN設定」-「IPアドレス」より、下記の通り設定します。

3-3 WAPM-AX8RへRADIUSを設定 

値入力後、「設定」をクリックすると、以下確認画面が表示されますので、再度「設定」をクリックして設定内容を反映します。

設定反映後、WEBブラウザを終了し、PC側のネットワーク設定をWAPM-AX8Rに設定したIPアドレス(192.168.1.1)に接続できるように設定し、再度ログインします。

3-3 WAPM-AX8RへRADIUSを設定

再ログイン後に「詳細設定」をクリックし、RADIUSを設定します。
「ネットワーク設定」-「RADIUS」-「RADIUS設定」より、下記の通り設定します。

値入力後、「設定」をクリックして設定内容を反映します。

3-4 WAPM-AX8RへSSIDを設定

続いて「詳細設定」の項目から、SSIDを設定します。
「無線設定」-「無線基本」- 「SSID設定」より、SSID編集の「新規追加」をクリックします。

下記の通り設定を行い、「編集を終了して前の画面へ戻る」をクリック。

以下確認画面が表示されますので、「設定」をクリックして設定内容を反映します。

また、Home画面の無線情報でSSIDが有効になっているか確認します。

以上でWAPM-AX8Rの設定は完了です。

4. EAP-TLS認証でのクライアント設定

4-1 Windows 10でのEAP-TLS認証

4-1-1 クライアント証明書のインポート

PCにクライアント証明書をインポートします。ダウンロードしておいたクライアント証明書(user01.p12)をダブルクリックすると、証明書インポートウィザードが実行されます。

4-1-2 サプリカント設定

Windows標準サプリカントでTLSの設定を行います。
 [ワイヤレスネットワークのプロパティ] の [セキュリティ] タブから以下の設定を行います。

4-2 MacでのEAP-TLS認証

4-2-1 クライアント証明書のインポート

PCにデジタル証明書をインポートします。
「キーチェーンアクセス」を起動し、[デフォルトキーチェーン] - [ログイン]を選択後、PKCS#12ファイルをドラッグ&ドロップし、PKCS#12ファイル のパスワードを入力します。

インポートしたCA証明書の信頼設定を変更します。

インポートしたCA証明書をダブルクリックし、[信頼] - [この証明書を使用するとき]の項目で「常に信頼」に変更します。

ウィンドウを閉じると、パスワードを求められるため、端末(Mac)に設定しているパスワードを入力し、「設定をアップデート」を選択します。

参考)

CLIコマンドを利用して、PKCS#12ファイルをインポートすることも可能です。
PKCS#12ファイルをデスクトップ上へ保存し、ターミナルで以下のコマンドを入力します。

security import /Users/<ログインユーザーID>/Desktop/<証明書ファイル名> -k /Users/<ログインユーザーID>/Library/KeyChains/Login.keychain-db –f pkcs12 –x

「ログインユーザーID」、「証明書ファイル名」は、環境に合わせて書き換えて下さい。

注:V11.6.6(macOS Big Sur)及びV12.5(macOS Monterey)で確認したところ、コマンドラインからエクスポート禁止オプション("-x")を設定してインポートしても、キーチェーアクセスから秘密鍵をエクスポート出来てしまうようです。

なお、ソリトンシステムズの証明書配布ソリューションであるEPS-apを利用してクライアント証明書をインポートした場合は、秘密鍵のエクスポートは不可の状態となります。

4-2-2 サプリカント設定 

Mac標準サプリカントでTLSの設定を行います。
メニューバーのネットワークのアイコンをクリックして、「Wi-Fi設定…」をクリックし、以下の設定を行います。

4-3 iOSでのEAP-TLS認証

4-3-1 クライアント証明書のインポート

NetAttest EPSから発行したクライアント証明書をiOSデバイスにインポートする方法には下記などがあります。

  1. Mac OSを利用してApple Configuratorを使う方法
  2. クライアント証明書をメールに添付しiOSデバイスに送り、インポートする方法
  3. SCEPで取得する方法(NetAttest EPS-apを利用できます)

いずれかの方法でCA証明書とクライアント証明書をインポートします。本書では割愛します。

4-3-2 サプリカント設定

WAPM-AX8Rで設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。
まず、「ユーザ名」には証明書を発行したユーザーのユーザーIDを入力します。次に「モード」より「EAP-TLS」を選択します。その後、「ユーザ名」の下の「ID」よりインポートされたクライアント証明書を選択します。

※初回接続時は「信頼されていません」と警告が出るので、「信頼」を選択し、接続します。

4-4 AndroidでのEAP-TLS認証

4-4-1 クライアント証明書のインポート

NetAttest EPSから発行したクライアント証明書をAndroidデバイスにインポートする方法として、下記3つの方法等があります。いずれかの方法でCA証明書とクライアント証明書をインポートします。手順については、本書では割愛します。

  1. SDカードにクライアント証明書を保存し、インポートする方法※1 
  2. クライアント証明書をメールに添付しAndroidデバイスに送り、インポートする方法※2
  3. SCEPで取得する方法(NetAttest EPS-apを利用できます)※3

※1 メーカーやOSバージョンにより、インポート方法が異なる場合があります。事前にご検証ください。
※2 メーカーやOSバージョン、メーラーにより、インポートできない場合があります。事前にご検証ください。
※3 メーカーやOSバージョンにより、Soliton KeyManagerが正常に動作しない場合があります。事前にご検証ください。

Android 13では証明書インポート時に用途別に証明書ストアが選択できますが、本書では無線LANへの接続を行うため、クライアント証明書は「Wi-Fi証明書」を選択しています。

4-4-2 サプリカント設定

WAPM-AX8Rで設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。
「ID」には証明書を発行したユーザーのユーザーIDを入力します。CA証明書とユーザー証明書はインポートした証明書を選択して下さい。

5. EAP-PEAP認証でのクライアント設定

5-1 Windows 10でのEAP-PEAP認証

5-1-1 Windows 10のサプリカント設定

[ワイヤレスネットワークのプロパティ] の「セキュリティ」タブから以下の設定を行います。

5-2 MacでのEAP-PEAP認証

5-2-1 Macのサプリカント設定

Mac標準サプリカントでPEAPの設定を行います。
メニューバーのネットワークのアイコンをクリックして、「Wi-Fi設定…」をクリックし、以下の設定を行います。

5-3 iOSでのEAP-PEAP認証

5-3-1 iOSのサプリカント設定

WAPM-AX8Rで設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。「ユーザ名」、「パスワード」には「2-6 利用者の登録」で設定したユーザーID、パスワードを入力してください。

 ※初回接続時は「証明書が信頼されていません」と警告が出るので、「信頼」を選択し、接続します。

5-4 AndroidでのEAP-PEAP認証

5-4-1 Androidのサプリカント設定

WAPM-AX8Rで設定したSSIDを選択し、サプリカントの設定を行います。「ID」「パスワード」には「2-6 利用者の登録」で設定したユーザーID、パスワードを入力してください。「CA証明書」にインポートしたCA証明書を選択してください。

6. 動作確認

6-1 RADIUS認証ログの確認(EPS)

EPSのRADIUS認証ログは、サービス管理画面の「管理」メニューにて「ログ」でフィルタリングし、「RADIUS認証ログ」を選択することで確認可能です。



EAP-TLS
EAP-PEAP

6-2 認証ログの確認(WAPM-AX8R)

 Home画面より「機器診断」-「ログ情報」をクリックし、ログを表示します。
認証ログのみを表示する場合は上部のチェックボックスの「認証」をチェックし、表示をクリックします。



EAP-TLS
EAP-PEAP

まとめ

ソリトンシステムズのオールインワン認証アプライアンス「NetAttest EPS」と、バッファロー社製 無線LANアクセスポイント 「AirStation Pro(WAPM-AX8R)」を連携させ、エンタープライズ方式による認証が可能であることを確認しました。

今回の連携検証は、最もシンプルな構成で行っています。
企業ネットワークへの導入を検討するにあたっては、無線アクセスポイントの各種機能の評価も必要になります。より実環境に近い構成での確認をお奨めします。

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記事を書いた人

ソリトンシステムズ・マーケティングチーム